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知らないと怖い、クリエイターが知っておくべき権利の話、聞いてきました

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キュレーションサイトのパクリ問題など、最近、著作権に関して、いろいろ話題も多いですよねえ。それなら著作権に関する本はニーズがありそうなのに、売れていなかったようです。ところが、この分野では画期的な売り上げを上げたのが「クリエイターのための権利の本」です。
タイトルの前には「著作権トラブル解決のバイブル」とうたっています。

その本の重版決定を記念して、著者7人によるセミナーが開催されると聞いて、イソイソ、参加しました。

というわけで、イベント「クリエイターのための権利の話」および書籍「クリエイターのための権利の本」について書きたいと思うのですが……

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わたしと著作権と、そして法律と

本文に入る前に、前書き的に、わたしと著作権、わたしと法律について、ちょっと自己紹介しておきます。

わたしはこれまでに書いたブログの書き方などの本の中で、読者が著作権侵害しないように、著作権の基本や引用において守らなければいけないルールなどを数ページていどで解説したことがあります。

また祖父が弁護士だったこともあり、こどもの頃から「善意・悪意」と、「合法・非合法」は分けて考えてきました。
母に「弁護士はトラブルが起こってから相談する相手ではなく、トラブルが起こらないように相談する相手」と言われ、母ほど弁護士を活用はしていませんが、頭の中に「トラブルにならないために、どこを押さえておくべきか」、法的なことを意識して行動してきました。

さらにコピーライターとして、薬事法(現在は「薬機法」)や特定商取引法の観点からも適正なコピーを書き、必要に応じて、クライアントにその観点からアドバイスもしてきました。ネーミングを考える際には商標権についても調べ、その観点からもネーミングを考えました。

大企業の仕事を、しばしば大手広告代理店を通じてやってきたので、かなり法的なことにはナーバスに仕事してきました。
著作権に関わるニュースとかも比較的追ってきました。

というわけで、クリエイターの中ではかなり法に関する意識は高く、著作権に関してもわりと詳しいと思います。

というわけでイベントでも、心の中で突っ込みながら聞いていた部分もあります。

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セッション1:そもそも著作権はどうして必要なのか?(大串肇氏・斎木弘樹氏)

このセッションは「そもそも著作権って何?」というところから始まりました。
法律の文章を読み上げかけて、「難しい」を連発。
そう、法律の文章ってわっかりにくいんですよねえ。

そして著作権を「知的財産権の一つ『財産的な価値のある情』の利用をコントロールする権利」として、その後、知的財産権とはなにか、その利用とはどういうことか、コントロールするとはどんなふうにしてか……説明してくれました。
ただ、これも説明されても説明に使われた言葉、たとえば「知的財産権」なら、「著作権」のほか、「商標権」、「特許権」があると言われても、それぞれ「それってなに?」ですよねえ。

さらにクリエイターにとって、なぜ、これを勉強する必要があるのかという話に。
クリエイターはWebで転がっている写真やイラストをつい流用して他人の権利を侵す危険もあるし、他人にパクられて、それを訴えて損害を取り戻すべきときもあるし、絶対に知っておいたほうが仕事がスムーズです。
というか、知らないと、痛い目に合うこともしばしばあります。

ここでクリエイターが日常的に直面して持つ疑問の例があげられたのですが……そのひとつに「他人の映った写真を使っても大丈夫か?」問題がとりあげられて、わたしは思わず心の中で突っ込みました。

「それ、著作権じゃないだろ!肖像権じゃん!」

はい、この本は「著作権トラブル解決のバイブル」をうたっていますし、セッション1は「そもそも著作権はどうして必要なのか?」となっていますが、本やセミナーの内容として、この本やセミナーのハッシュタグ「#権利本」という言葉のほうが、より正確です。

本の中でも、またセミナーの中でも、著作権の範囲を超えて、クリエイターが関わることがある権利全般を扱っているからです。

そして、本の中ではちゃんと著作権、肖像権など、さまざまな権利について、きちんと分けて説明しています。

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この本のおもしろい、そして売れた理由だろうと思うのは、現場の最前線のクリエイターたちが集結して、日常的に抱く、身近な疑問をあげて、それに対して、しっかり正確な答えになるようにと、知財権を専門とする弁護士、木村剛大氏が監修している点です。

わたしは専門医の話を他科医やかかりつけ医向けに書いたり、IT関連の話をITを専門としない企業の上層部向けに書いたり……専門的な話を専門外の人向けに書く仕事を主にやってきました。
このときに、わかりやすく丸めて書くと不正確になり、かといって正確に書くと、今度はわかりにくい……という中で、ちょうどいい加減になるよう書くのは、本当に難しいです。

その点、この本は著者7名の内の6名が、法律を専門としない現場のクリエイターであるため、実際にこの本の情報を活用したい読者に寄り添っています。具体的だし、実用的です。
それでいながら、不正確は許さない弁護士がきっちり監修しています。
だから、多少難しい部分もありつつ、ちょうどいい塩梅に仕上がっています。

ちなみにこの上の写真は「クリエイターのための権利の本」の中の、他人が創造した、他人が権利を持っているものが映った写真に関するQ。
そしてこの写真自体がまさにそういう写真です。

たまたま背景に映りこんだ場合は訴えられることはほとんどありません。これは「不随対象著作物の利用」だからですが、詳しくはこの本を読んでください。

この写真は「クリエイターのための権利の本」自体を撮ることを目的とした写真ですので、「写りこんでしまった」とは言えず、上記には該当しません。

わたしはこういう場合にあえて自分の手などを入れて、あえて斜めに、あえて一部切れた形で撮影します。
それによって相手の権利に配慮している感を出しています。

また、全文が読めない形により、「利益不侵害性」を狙っています。これはこの本のINDEXに載っていなかったので、「利益不侵害性」でググってもらといいのですが、簡単に言うと、「著作権を侵害気味かもしれないけど、利益は侵害してないよ」ってこと。

ただ、著作権侵害する人の中に「宣伝してあげているんだからいいじゃん」と思っている人がしばしばいるので注意しておきますが、それを決めるのはあなたじゃない!
「宣伝してくれればいいよ」か「そんな形の宣伝は要らない」は著作権者が選びます。相手が不快に思わないか、よく考えましょう。

実はわたしがやった一部隠すのも、下手すると「同一性保持権の侵害」に当たる危険がゼロではなかったりします。
ここはこの本のINDEXで「同一性保持権」の項目を見て、該当ページを読んでみてください。

…と書いた後、本をさらに読んでいたら、どんずば「本や新聞の紙面、表紙を撮影して掲載するのは引用にあたるの?」という項目があり、その中で「本屋新聞の紙面を撮影して掲載する」ことは複製に該当し、原則として著作権侵害となります」とありましたあ!

ただし、現在は著作権侵害は親告罪(つまり権利者が訴えなければ罪にならない)のため、著作権を侵害しても、著作権者がメリットを感じている場合にはOKということも記されていました。

「宣伝しているからいいよね」パターンではあるのですが、一応、相手側の意向を自分なりに汲んでいます。
今回、実はセミナー申し込みにあたり「ブログに書きます」枠で申し込みましたので、わたしが記事を書くことは前提。
また、現場でも基本的に画面や登壇者の撮影OKとされていて、せっせと広めることが望まれているおとが伝わってきました。

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セッション2:話題の「GDPR」、そして「ライセンス」(古賀海人氏・大串肇氏)

正式なセッションタイトルは「書籍制作裏話『これ入れられませんでした』」。本に入りきらず、このセミナーでだけ語られたテーマは2つ。

ひとつが古賀氏が語った「GDPR」です。

「GDPR」とは「EU一般データ保護規則」
古賀氏によれば、しばしば「データ利用を制限するもの」のように思われがちですが、目的はヨーロッパ圏内でのデータの自由流通を実現することだそうです。

先日読んだ山本一郎氏の「海賊版ブロッキングより日本が急ぐべき「真の知財戦略」がある」 にもありましたが、日本は本当に早くデータの扱いの未来を考え、ルールをきちんと決めないといかんのですよ。

どうも日本は法律などをきちんと定めるよりも、ルールの解釈をゴムのようにグニャグニャ変形させて対応しがちだけど、きちんとルールを決めて合法的にふるまったほうが合理的だと思うんだけどなあ……。

と話が少し外れましたが、このGDPRに関して、アフィリエイト界隈では
「対応しなきゃ!でもどう対応すれば?」
と一騒ぎありました。
古賀氏によれば、どうやらヨーロッパにも配達するような、ヨーロッパ向けのビジネスなどをしていなければ、特に対応は不要な模様。

このセッションのもうひとつのテーマが大串氏が語った「ライセンス」。

この場合の「ライセンス」とは要するに、著作物の利用条件を書いたもの

オープンソースでプログラムコードを多くの人に利用してもらいたいと思っている場合、利用条件を明記した「ライセンス」をつけておくのが親切なんだそうです。
ライセンスがないと、通常の著作権の制限対象となってしまい、自由に使ってもらえないからです。

でも自分で条件を適切に書くのは難しい……というわけで、世の中にはライセンス自体も用意されていて、その中から選んで、そのまま利用できるようになっています。

どうやら本では、セミナーのような基本的説明はなかったようですが、その先の実践的な内容、「ソースコードには、どの場合に、どのライセンスを選択すべき?」という項目は用意されています。

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セッション3:本当は怖いSNS」(角田綾佳氏・古賀海人氏)

ここのセッションはほぼ角田氏が話されました。
古賀さんに「突っ込んでくださいよお」と振りつつも……。

わたしは著作権関係の話は追ってきたので、知っている話が中心でしたが、一般的には「え!?」という話も多かったと思います。

まずは角田さん自身がパクられた話。ただし、その場で弁護士の木村氏に聞いたら「たぶん著作権侵害で訴えても勝てない」と言われて、がっくりしていましたが……。

ご自身がやっていることを数コマのマンガに描いたものが、説明文もポーズもほぼ同じで他人が描いたというケースでした。

twitterなどのSNSで書いたものはSNSが利用権を持つことが利用規約に書いてあるって知っていました? 利用規約を承諾する際は必ず全文読むわたしは知っていましたが、これは知らない方が多いですね。

ですからTwitterの「ツイート埋込機能」などを使えば、他人の投稿した文章や絵、写真を、誰でも自分のブログなどで利用することができます。

ツイッターに投稿されたイラストを集めたブログが炎上した事件がありましたが、本来はブログ運営主は責められる必要はありませんでした。
ただ、ルール的に正しくても、相手の感情的に許せないと思われることはありますね。

また、たとえば自分が撮影した写真を、他人があたかも自分が撮影したもののように利用した場合などは、著作権侵害として、SNS側に訴えることも可能です。
セミナーでは申し立てについて詳しい話もありました。

このあたりは最近話題の記事「画像『無断転載の情報開示請求、慣れたら10分でできる 裁判で約90万円勝ち取った写真家インタビュー」 もご参考に。

最後に角田さんのまとめで印象に残った言葉が「著作権は悪をただす棍棒ではない」。
他人の権利が侵害されていると言って勝手に怒ったりしちゃいかんですよね。

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セッション4:教えて木村先生」(木村剛大氏)

これはブログで細かい話は説明できないパートでした。
いかに「パクリか否か」の判断が難しいかといった話。

感情的には許せない行為も法的には許される行為だったり、自分では「パクっちゃった」と思って本人が認めていても、裁判徐波「パクリではない」と判断することがあったり……。

なかなか難しいですが、訴えるか訴えないかということになれば、相手の感情の部分は大きいので、法的に正しかろうが、倫理的に正しくなかったり、相手を不快にさせたら、それはただでは済まないのですよね。

他人の気持ちに考慮するってことが、結局は大事なんじゃないでしょうか。

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トークセッション「現場のクリエイターはどうしてる?質疑応答」

最後は、息子さんのお守りをしながら司会進行を務めていた北村崇氏、お子さんのおつきあいで出かけた先から駆けつけてきた染谷昌利氏も加わって、ラストセッション。

セミナー参加者から事前に寄せられていた質問に次々と答えていただきました。
けっこうリアルで切実な質問もありました。

クライアントによる著作権侵害にどう対応するか……とか。

わたしも新聞広告のコピーを書いたら、数か月後、商品パッケージにそのコピーが使われていました。キャッチフレーズには著作権はないようですし、大企業相手にケンカして勝てないし……。

セミナーもためになりましたが、本はさらに役立ちそうです。これから、もっとじっくり読み直します。

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