感染予防を考えた加湿器の選び方&使い方
冬になったとたん、新型コロナウイルスの感染者数がみるみるうちに上がったのは、事前の予想通り。なぜなら冬は乾燥と低温という、ウイルスが好む条件が揃い、さらに乾燥と低温が免疫機構のウイルス排出機能などを低下させるから。
加湿器にいま注目が集まっていますが、適切な使い方をしなければ、かえって体に悪いもの。
加湿器の方式のちがいや、正しい使い方を知っておきたいと調べてみました。
わたしの実家は極度に乾燥していて、家じゅうに加湿器をガンガン使っても湿度30%を切りがちでした。
1、2年に一度は加湿器を買っていたので、加湿器にはだいぶ詳しくなっていたつもりでしたが、最近は機能もいろいろ変わっていました。

方式別の長所・短所
加湿器には大きく分けて4つの方式があります。
気化式、加熱式、超音波式の3つの方式と、その3つのいずれかを組み合わせたハイブリッド式です。
3つの方式にはそれぞれ長所と短所があり、ハイブリッド式は組み合わせもいろいろで、とても多様。それぞれの長所を併せ持ちつつ、短所は減らす工夫をされているものもあります。
この記事の最後に、いま我が家にあるハイブリッド式加湿器のレビューを添えました。
気化式の長所・短所
気化式とは、水を含んだフィルターに風を送り、気化させる方式です。
濡れタオルに扇風機を当てて、水分を飛ばしている感じ。
なお「自然気化式」はファンがなく、コップに水を入れておいておくのと同じで、加湿力は相当低いです。
長所
- 電気代が安め。月額百数十円ていど。
- 蒸気が出ず、やけどの心配なし
短所
- 加湿力が弱く、なかなか湿度が上がらないものが多い。
手入れ
- 濡れている時間が長いフィルターに細菌が繁殖しやすいので、月に1回はフィルターをしっかりと洗う。
定期的なフィルター交換も必要。
こんなひとにおすすめ
やけどの心配がなく、安全性を重視する方向け。
多くの機種は加湿量が低く、極端に乾燥している家には向きません。
加熱式の長所・短所
加熱式とは、お湯を沸かして、水蒸気を発生させる方式です。
いわばやかんでお湯を沸かして湯気を出し続ける感じ。
長所
- 加湿力が高く、スピーディに湿度を上げられる。
- 煮沸消毒するので、カビや細菌の繁殖の心配が少ない。
短所
- 電気代が高め。月額千数百円ていど。
- 蒸気でやけどする危険あり。小さいこどもがいる家庭には不向き。
- 急激な加湿で、床や壁が濡れがち。
手入れ
- 水アカを防ぐフィルターが優秀な場合はお手入れはあまり要らないが、ない場合は水アカが固まってしまうと、取るのが大変なので、まめにお手入れを。
こんなひとにおすすめ
加湿力が高いので、極度に乾燥していて、スピーディに湿度を上げたい方向け。
吹き出し口からの蒸気でやけどする心配があるので、小さいお子さんなどがいる家庭には向きません。
結露しやすい家にも向きません。
超音波式の長所・短所
超音波式とは、超音波で水に振動を与えて、細かな霧にして、飛び散らせる方式です。
長所
- 電気代が安め。月額百数十円ていど。
- 常温の蒸気なので、やけどの心配なし。
- 目立つ場所にも置きやすい、スタイリッシュなデザインが多い。
- アロマが使えるものが多い。
短所
- 加湿力が低い。
- 加熱せず、フィルターもないので、こまめな手入れが必要。
手入れ
- 週に1度は手入れが必要。
こんなひとにおすすめ
スタイリッシュで、静かで、安全なものを求める方向け。
やけどの心配がありませんが、極端に乾燥している家には向きません。
適正な湿度は?
健康のために最適な湿度は、絶対湿度11g/m3以上、相対湿度60%未満です。
「絶対湿度?g/m3?えーっ、湿度はふつう%でしょ?」
と思う方も多いでしょう。
すぐ答えだけ欲しい方のために、まずカンタンに説明します。
湿度には、絶対湿度と、気温によって異なる相対湿度があり、多くの湿度計は相対湿度を表示しています。上の表を見れば、相対湿度と気温から、絶対湿度がわかりますので、参考にしてください。
感染症対策の観点では湿度は高いほうがいいですが、湿度が高いとカビが生えやすくなります。加湿しすぎもいけません。
最適な湿度を維持するために、加湿器には、湿度を指定して、指定湿度になったら自動で止まり、指定湿度を切ると、また動き出す湿度センサーが求められます。
さて、ここからは詳しい説明を書きます。めんどくさいと思う方は次の項目へ。
加湿器の正しい使い方
わたしも、感染症対策として適切な湿度を調べた今回まで、%で表す相対湿度しか知りませんでした。
相対湿度だと、「感染症予防に最適な湿度は40-50%」と書いてあるものもあれば「50-60%」と書いてあるものもあり、バラバラ。
それは同じ相対湿度でも気温によって絶対湿度が変わるせいでした。
そして感染症予防を考える際は絶対湿度で考えなければなりません。
絶対湿度は空気中に含まれる水蒸気の量を示しています。
空気中に含むことができる水蒸気の最大量は、気温によって変わり、相対湿度はその最大量を100として、現在、何%の状態かを示しています。
絶対湿度11g/m3を下回ると、インフルエンザは流行しはじめ、特に絶対湿度7g/m3以下で大流行が起こります。新型コロナウイルスは、インフルエンザと同じエンベローブウイルスで、湿度の影響に関しては、同じ傾向があります。
これらのウイルスだけを考えれば、湿度は高いほどいいのですが、湿度が高すぎると、今度はカビが生えてしまいます。
なお、エンベローブウイルスは水蒸気の量で感染状況が変わりますが、カビは液体の水(結露)によって成長します。従って、カビ予防を考える場合は、相対性湿度が重要です。相対性湿度が60%からカビが成長し始め、80%を超えると、一気に繁殖します。
インフルエンザなどに感染しづらく、カビも生えづらい最適な湿度は、絶対湿度11g/m3以上、相対湿度60%未満です。
加湿器の正しい使い方
使用する水は必ず水道水。
水道水には水が腐らないように安全な適量の塩素が入っているからです。
ミネラルウォーターなどは雑菌が繁殖しやすいため、加湿器に使ってはいけません。
水道水の塩素の効果も1日程度なので、安全のためには1日に1回は水を交換しましょう。
一時、次亜塩素酸水を加湿器で空間噴霧して除菌することが流行りましたが、これは医療者から「新型コロナウイルス感染予防に効果がないだけでなく、危険だ」と警告が出ています。絶対にやめましょう。
アロマ利用は要注意。
「水の中にアロマオイルを数滴垂らして、良い香りを噴霧」なんて考えがちですが、アロマ対応していない加湿器でこれをすると故障してしまいます。
超音波式加湿器には、アロマ対応していて、アロマオイルを入れる場所が用意されているものがたくさんあります。
アロマオイルではなく、水溶性のアロマなら、一般の加湿器でも一応使えますが、こまめなお手入れは必要です。
置き場所はエアコンの真下。
加湿器を置くベストな場所は、加湿した空気をエアコンの風に載せて、部屋中に適切に湿気を届けることができるので、エアコンの真下が最適です。
ただし、エアコンの風が当たると、湿度センサーが誤動作しますので、エアコンの風が当たらない場所を選んでください。
窓際には置かないでください。結露してしまいます。
パソコンやテレビなどの精密機器からも離してください。故障の原因となります。
スタイリッシュなハイブリッド加湿器を使ってみた
先日auPayのイベント参加の抽選でAND・DECOの加湿器が当たったので使ってます。
我が家は昨年までは加湿器不要でした。熱帯魚の水槽があり、いわばヒーターで少し温めて気化させるハイブリッド式加湿器がある状態。しかし、この夏、最後の熱帯魚1匹が逝ってしまい、今年から我が家も乾燥が心配になってきました。
このAND・DECOのハイブリッド加湿器はスタイリッシュで、部屋の目立つところに置いても、インテリアを壊さない点がまず気に入りました。
超音波式に加えて、加熱式のようにヒーターを併せて使うことができます。
常温ていどまでの過熱なので、蒸気でやけどする心配はありません。電気代もヒーターを使わなければ超音波式と同様ですし、ヒーターを使っても、加熱式よりも安価です。
わたしが加湿器に欠かせないと思っている自動湿度調整機能があり、指定湿度よりも低ければ稼働し、高くなったら停止します。
加湿量は弱・中・強の3段階で切り替えられ、さらに超音波のみか、超音波+ヒーターかで変わるので、6段階。最大で340ml/hなので、少なくはありませんが、急速加湿向きではありません。
わが家の場合、湿度は高めで、急速大量加湿すると、結露しやすいので、加湿量はこのくらいで十二分。
実家は乾燥がひどかったので、加湿量が多いものを使っていたら、周囲の床や壁が濡れてしまって、滑りそうになったこともありますので、加湿量が多いものは注意が必要です。
この加湿器は自然蒸発しやすい超微細ミストで、床や壁が濡れにくいので助かります。
リモコンですべての操作ができる点も魅力です。
マイナスイオン発生機を搭載しているので、ベッドルームに置けば、ぐっすり眠れそう。
「おやすみ」ボタンで、電源・おやすみボタン以外のランプを消灯できるので、眠るときに、光がほとんど気になりません。
最45時間連続運転可能という、4.4Lの大容量タンクがあるので、自動湿度調整機能に適正湿度に保ってもらって、稼働させっぱなしにしておくのがいいですね。
実家では一度加湿器でやけどしたことがありますが、このAND・DECOのハイブリッド加湿器は熱い蒸気は出ないので、おっちょこちょいのわたしでもやけどの心配がありません。
長所
- 電気代はヒーターを使わなければ格安。
- 蒸気が出ず、やけどの心配なし。
- 自然蒸発しやすい超微細ミストで、床や壁が濡れにくい。
短所
- 加湿量はヒーターを使うと高まるが、ヒーター式には及ばないため、急速加湿は難しい。
手入れ
- タンク、スチーム吹出口、アロマボックスは取り外し簡単で、丸洗いできる。
デザインは写真のダークウッド調の他、ブラック、ホワイト、ウッド、ホワイトウッド、合わせて5デザインあります。

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